2018年02月01日
「天岩戸」こそ太陽神の天照大御神を信仰する我が国らしい神話である
月日の経つのは早いものであっという間に2月となった。先月は、インフルエンザAに続いてB型にも感染してしまい散々な1月となってしまった。今日は朔日ということで身を清め、神饌を新しくして、畏れ多くも陛下の弥栄を祈願した。
昨日は、皆既月食、然も貴重なスーパーブルーブラッドムーンだったこともあり、俄か天体ファンがカメラやスマートフォン片手に天体ショーを楽しんだ。
古来日本では、日食と月食の日は「穢れの日」として、月や太陽から放たれる光は「妖光」として忌み嫌われた。幕末までは、日食や月食の日は不吉な兆候とされて、天皇の祭祀と政務を一切取り止めたという。当時は、天変地異や疫病などが起きると本気で信じられ、この妖光から天皇の玉体を護って来たことが伝えられている。
こうした「不吉」は別に我が国の神道だけに限ったことではなく、ヒンズー教なども皆既月食や皆既日食を「災いが起こる前兆」として恐れ、祈りを捧げる。
天皇を、何故に日食・月食の妖光から護るのか。その理由は、玉体を護ることが、日本国の自然と社会の秩序を維持する為に枢要なことだったからだ。
天皇とはそうした秩序を体現している御立場であり、その玉体安寧を維持することが、政治の核心の一つだったのである。神話の「天岩戸(あまのいわと)」では、天照大御神が天の岩戸に篭ってしまい世界が真っ暗闇になり悪神が蔓延ったという話があるが、この話も皆既月食や皆既日食の出来事を喩えた話しだろう。
伊邪那岐神(いざなぎのかみ)は「天上界を天照大御神が、夜の国を月読命(つきよみのみこと)が、海原を須佐之男命(すさのおのみこと)が治めよ」と命じた。
ところが、須佐之男命だけは任務を果たさず、その為悪神が蔓延り、諸々の禍が彼方此方で湧き起こる始末だった。伊佐那岐神は酷く怒り、「お前の様な者に用は無い!」と追放した。須佐之男命は姉の天照大御神を頼り、暫くは大人しくしていたが元々気性の荒い須佐之男命は、程なく種々の乱暴を働く様になった。
天照大御神の耕す田を壊しては、御殿に糞を撒き散らしたりして手の付けようがない。それでも天照大御神は、そんな様子を大目に見ていたが、服屋(はたや)で神聖な衣装を織っていると、皮を剥いだ馬が屋根を打ち抜いて投げ込まれ、服織女(はたおりめ)が死んでしまう事件が起きた。犯人は勿論、須佐之男命である。
これには流石の天照大御神も激怒し「天の岩戸」に隠れ篭ってしまった。その為、世界は暗闇となり、悪神達が蔓延り始めたのである。
そこで高天原の諸神である八百万の神々は、天の河原に集い策を取ることになり、思金神(おもいがねのかみ)の提案で、先ず岩戸の前に常世の長鳴鳥を集め鳴かせることに。次に伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)に八尺鏡(やたのかがみ)、玉祖命(たまおやのみこと)に八尺勾玉(やさかのまがたま)を作らせた。
布刀玉命(ふとだまのみこと)には御幣(みてぐら)を持たせ、天児屋命(あめのこやねのみこと)には祝詞を奉れせた。こうしておいて、岩戸の真ん中で天宇受売命(あめのうずめのみこと)が乳房や女陰を露に神憑りの踊りを大乱舞した。
八百万の神々がどっと笑うと、天照大御神は気になり岩戸をそっと開ける。
「何事か?」
「あなた様より貴い神が現れたので皆喜んで騒いでいるのです」
差し出された八尺鏡を見た天照大御神は、そこに映った自分の姿をその貴い神と勘違いし、猶もよく見ようと身を乗り出したところを、怪力の天宇受売命が岩を投げ飛ばした。そして、天照大御神が外に出ると漸く世界に再び光明が戻ったという話しだが、この「天岩戸」こそ太陽神の天照大御神を信仰する我が国らしい神話である。
「皆既月食」の昨日は、自然現象に多くの子供達も興味を持って観察した。科学万能の時代に於いて、日本人として生を享けたからには、「天岩戸」の神話を始め、古来の日本人の考え方や教えも伝承して行かなければならないと感ずる。
※コメントは返信するのも煩わしいので会員のみにさせて頂いております。コメント及びメッセージ、御意見御感想、近況報告などは mr.cordial@live.jp へ。
《会費&御支援の御願い》みずほ銀行 郡山支店 普1464729 ニッポンロンダンクラブ。年会費一般30000円。法人120000円。協賛会員は300000円~。
昨日は、皆既月食、然も貴重なスーパーブルーブラッドムーンだったこともあり、俄か天体ファンがカメラやスマートフォン片手に天体ショーを楽しんだ。
古来日本では、日食と月食の日は「穢れの日」として、月や太陽から放たれる光は「妖光」として忌み嫌われた。幕末までは、日食や月食の日は不吉な兆候とされて、天皇の祭祀と政務を一切取り止めたという。当時は、天変地異や疫病などが起きると本気で信じられ、この妖光から天皇の玉体を護って来たことが伝えられている。
こうした「不吉」は別に我が国の神道だけに限ったことではなく、ヒンズー教なども皆既月食や皆既日食を「災いが起こる前兆」として恐れ、祈りを捧げる。
天皇を、何故に日食・月食の妖光から護るのか。その理由は、玉体を護ることが、日本国の自然と社会の秩序を維持する為に枢要なことだったからだ。
天皇とはそうした秩序を体現している御立場であり、その玉体安寧を維持することが、政治の核心の一つだったのである。神話の「天岩戸(あまのいわと)」では、天照大御神が天の岩戸に篭ってしまい世界が真っ暗闇になり悪神が蔓延ったという話があるが、この話も皆既月食や皆既日食の出来事を喩えた話しだろう。
伊邪那岐神(いざなぎのかみ)は「天上界を天照大御神が、夜の国を月読命(つきよみのみこと)が、海原を須佐之男命(すさのおのみこと)が治めよ」と命じた。
ところが、須佐之男命だけは任務を果たさず、その為悪神が蔓延り、諸々の禍が彼方此方で湧き起こる始末だった。伊佐那岐神は酷く怒り、「お前の様な者に用は無い!」と追放した。須佐之男命は姉の天照大御神を頼り、暫くは大人しくしていたが元々気性の荒い須佐之男命は、程なく種々の乱暴を働く様になった。
天照大御神の耕す田を壊しては、御殿に糞を撒き散らしたりして手の付けようがない。それでも天照大御神は、そんな様子を大目に見ていたが、服屋(はたや)で神聖な衣装を織っていると、皮を剥いだ馬が屋根を打ち抜いて投げ込まれ、服織女(はたおりめ)が死んでしまう事件が起きた。犯人は勿論、須佐之男命である。
これには流石の天照大御神も激怒し「天の岩戸」に隠れ篭ってしまった。その為、世界は暗闇となり、悪神達が蔓延り始めたのである。
そこで高天原の諸神である八百万の神々は、天の河原に集い策を取ることになり、思金神(おもいがねのかみ)の提案で、先ず岩戸の前に常世の長鳴鳥を集め鳴かせることに。次に伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)に八尺鏡(やたのかがみ)、玉祖命(たまおやのみこと)に八尺勾玉(やさかのまがたま)を作らせた。
布刀玉命(ふとだまのみこと)には御幣(みてぐら)を持たせ、天児屋命(あめのこやねのみこと)には祝詞を奉れせた。こうしておいて、岩戸の真ん中で天宇受売命(あめのうずめのみこと)が乳房や女陰を露に神憑りの踊りを大乱舞した。
八百万の神々がどっと笑うと、天照大御神は気になり岩戸をそっと開ける。
「何事か?」
「あなた様より貴い神が現れたので皆喜んで騒いでいるのです」
差し出された八尺鏡を見た天照大御神は、そこに映った自分の姿をその貴い神と勘違いし、猶もよく見ようと身を乗り出したところを、怪力の天宇受売命が岩を投げ飛ばした。そして、天照大御神が外に出ると漸く世界に再び光明が戻ったという話しだが、この「天岩戸」こそ太陽神の天照大御神を信仰する我が国らしい神話である。
「皆既月食」の昨日は、自然現象に多くの子供達も興味を持って観察した。科学万能の時代に於いて、日本人として生を享けたからには、「天岩戸」の神話を始め、古来の日本人の考え方や教えも伝承して行かなければならないと感ずる。
※コメントは返信するのも煩わしいので会員のみにさせて頂いております。コメント及びメッセージ、御意見御感想、近況報告などは mr.cordial@live.jp へ。
《会費&御支援の御願い》みずほ銀行 郡山支店 普1464729 ニッポンロンダンクラブ。年会費一般30000円。法人120000円。協賛会員は300000円~。
cordial8317 at 07:20│Comments(0)
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。