2017年11月25日
益荒男が たばさむ太刀の 鞘鳴りに 幾とせ耐へて 今日の初霜

昭和45(1970)年11月25日午後0時15分、三島由紀夫は同行した楯の会メンバーの森田必勝、古賀浩靖、小川正洋、小賀正義と共に陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地・東部方面総監室を占拠し、現憲法の矛盾と戦後の不条理と欺瞞を訴えて壮絶な割腹自決を遂げた。当時、愚生は10歳。この衝撃的な事件を鮮明に記憶している。
携行した「檄」には「もっとも名誉を重んずるべき軍が、もっとも悪質な欺瞞の中に放置され・・・自衛隊は国軍たりえず、建軍の本義を与えられず、警察の物理的に巨大なものとしての地位しか与えられず」と三島は喝破した。
自衛隊は現行憲法下では明らかに憲法違反の存在であり、未だ「警察予備隊」時代のまま「集団的自衛権の憲法解釈」などという目先の誤魔化しによってかろうじて存在し、あやふやな中途半端な存在のまま放置され続けている。
だが、自らの国家の防衛をも否定する矛盾だらけの現憲法を見直し、違憲状態の自衛隊を「国軍」とすることに、何を躊躇し、誰に憚るというのか。
あろうことか安倍政権下で、正に健軍の本義もなき物理的な巨大な警察機構としての地位を取り払うべく憲法改正ではなく、九条に附帯するという形で自衛隊を明記しようという愚行が成され様としている。
日夜、国の防衛の為に努力する自衛官の姿は心強いし、災害に立向かう自衛隊の存在は実に頼もしい。自衛官は我が国の誇りである。にも拘らず憲法論議を避け、自衛隊の存在意義を無視し、国防を論ずることなどあってはならないし、政治家のこれ以上の怠慢は赦されるものではない。
決行当日、同行した小賀正義に命令書が渡された。その一文にはこう記されてあった。渡す側もそれを受け取る側もその心中察するに余りある。
【小賀正義君。君は予の慫慂により、死を決して今回の行動に参加し、
参加に際しては、予の命令に絶対服従を誓った。
依ってここに命令する。
君の任務は同志古賀浩靖君と共に人質を護送して
これを安全に引渡したるのちいさぎよく縛につき、楯の会の精神を堂々と、
法廷に於て陳述することである。
今回の事件は、楯の会隊長たる三島が、計画立案、命令し
学生長森田必勝が参画したるものである。
三島の自刃は隊長としての責任上、当然のことなるも、森田必勝の自刃は、
自ら進んで楯の会全会員及び現下日本の憂国の志を抱く青年層を代表して、
身自ら範を垂れて、
青年の心意気を示さんとする鬼神を哭かしむ凛冽の行為である。
三島はともあれ、森田の精神を後世に向って恢弘せよ。
しかしひとたび同志たる上は、
たとひ生死相隔たるとも、その志に於て変りはない。
むしろ死は易く、生は難い。
敢て命じて君を艱苦の生に残すは予としても忍び難いが、
今や楯の会の精神が正しく伝わるか否かは君らの双肩にある。
あらゆる困難に耐え、忍び難きを忍び、決して挫けることなく、
初一念を貫いて、皇国日本の再建に邁進せよ。
楯の会隊長 三島由紀夫】
【益荒男が たばさむ太刀の 鞘鳴りに 幾とせ耐へて 今日の初霜】(三島由紀夫)
【今日にかけて かねて誓ひし 我が胸の 思ひを知るは 野分のみかは】(森田必勝)
旧来の思想や社会構造を打破しようとする時、常軌を逸した行動が生まれる。三島由紀夫と森田必勝らの行動こそが正気の狂気であり、この狂気こそが我が国に圧し掛かる重苦しい閉塞感を打破する力に成り得るのだ。
「あらゆる困難に耐え、忍び難きを忍び、決して挫けることなく、初一念を貫いて、皇国日本の再建に邁進せよ」という、小賀正義への命令書に在る、三島・森田の精神を想起し、祖国日本の恢復を図らねばならない。すめらぎいやさか。
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cordial8317 at 07:19│Comments(0)
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