伝統的武道や芸事の世界は守破離」を重視する愚生に足らないものは「強烈な努力」以外にはないと自覚する!

2023年01月12日

「使われ上手は使い上手になる」豊臣秀吉の処世術に学ぶ

 シナへの憧れ、或いはコンプレックスから「四書五経(ししょごきょう)」を好む日本人は少なくない。「四書」とは、「大学」「中庸」「論語」「孟子」の4つの儒教の経書。「五経」とは、「詩経」「書経」「礼経」「楽経」「易経」「春秋経」の六経から「楽経」を除いたもの。全て、孔子以前からの書物である。

 まぁ孔孟にしろ読むのは好いが、単なる「シナ気触れ(かぶれ)」になるだけ。それよりも我が国の過去の偉人や英雄に学ぶ方が現実的で、その方が為になる。

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 秀吉に学ぶことは多いが、感心することは人に仕える上手さ。秀吉というのは藤吉郎の時代から羽柴秀吉となってからも永い間、気難しい信長に仕えて来た。

 人というのは、その立場立場で、人を使う立場になったり、人に使われる立場になったりする。人を使うことは難しいが、使われ方もまた難しい。

 秀吉に感心するのは、見事な使われ方だと思う。その心配りが、自分が人を使う立場になった時に如何なく発揮される。秀吉の人使いは実に見事で、つまりは「使われ上手は、使い上手になれる」という典型的な人物であろう。

 信長が上杉謙信と戦う為に加賀に出陣した秀吉は、柴田勝家の指揮下に入り参陣していた。ところが柴田勝家と作戦計画で意見が合わないとみるや、信長の承諾もなしに先陣を離れ長浜の居城に帰還してしまう。信長は激怒し秀吉に謹慎を命じる。

 秀吉は謹慎どころか、毎晩、家来どもを集めては酒宴を開いてのドンチャン騒ぎ。家臣らは信長に知られたら大変だと秀吉を諌める。だが、秀吉は一向に聞き入れようとはしない。秀吉にしてみれば信長の耳に入った方が好都合だと考えていた。

 酒宴を開いて騒いでいた方が「サルらしい」「どうしようもない野郎」で済むが、なまじ謹慎などして大人しくしている様だと、逆に「謀反を企てているのでは」と邪推され、却って信長の勘気をそそることになると考えたのだ。

 果たせるかな信長は、それから二ヶ月後、上杉との戦いを終え、中国地方征伐の総大将として秀吉を起用している。どうだろう、秀吉の思う通りになったのだ。

「中国征伐に成功したら次には九州を。九州を抑えた場合一年間は私に治めさせて下され。その間、軍備を整え朝鮮を征伐します。最早日本国内は全て上様のものです。朝鮮征伐後は朝鮮を私に、更に上様の為に明国まで足を伸ばしたいと思います」

 疑い深い信長に、自分は領土的野心など毛頭なく寧ろ上様はアジアを支配する大きな御方だという「ゴマすり」まで入れている。そして中国地方の征伐も、最後のところは信長に出馬を懇願し勝利を信長に譲っている。心憎いほどの気配りだろう。

 これだけの心遣いをされて訝る上司はいない。そしてこうした者を引き立てない訳にも行かなくなるというものだ。右翼団体やヤクザの世界などでも下積み経験の無い者は、こうした気遣いの出来ない者が多い。下積み時代には下積みなりに、人に使われるという修業を積むことは大事。使われ上手は、使い上手になれるものです。

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cordial8317 at 07:32│Comments(0)

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