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2022年12月19日

「喪中」につき 門戸を閉じ 酒肉を断ち 弔せず 賀せず 音曲を成さず 嫁取りをせず 財を分かたず 出仕(仕事)を控え 殺生をせず 髭や髪を剃らず

 年賀状というのはネットや通信網が普及された現代に於いてはある意味面倒な習慣でもある。師走に入ると「喪中につき年末年始の挨拶はご辞退させて頂きます」との通知が届き、年明けには「喪中なので初詣には行かない」いう様な声を聞く。

 こうしたことも単なる慣例であり、大した意味はなくやっているに過ぎない。 喪中の相手に年賀状を送るというのは思慮不足なのかも知れないが、悪気が在って送る訳でもないだろうし、年賀状如きに目くじらを立てる様なことではないだろう。

「初詣」というのも神道なら50日を過ぎていれば問題はないし、仏教というのは抑々「死」は「穢(ケガ)れ」という教えではないのだから初詣も問題はない。

 先祖の宗派も分からず、日頃、神仏などを軽んじていながら、年末年始の時だけ信心深くなるというのはどういう訳だろう。日本人の宗教観は実に好い加減だな(笑)

 近親者が亡くなった場合、一定の期間はその死を悼み、身を慎むことを「忌服(きぶく)」「服喪」という。古くは忌服中は門戸を閉じ、酒肉を断ち、弔せず、賀せず、音曲をなさず、嫁取りをせず、財を分かたずという様な仕来たりがあった。

 今日ではそれらの一部だけが慣例として受け継がれているだけ。 現在はここまで喪に服することはないし、そこまでした人を見たことも聞いたこともない。忌服を理由に一週間も会社を休めば「もう、君は来なくて結構」などと誹られるだろう。

 我が国では、喪中の規定に関する法律は、奈良時代の「養老律令(ようろうりつりょう)」に見られ、江戸時代になると「服忌令」に喪中の規定が記されている。これらの規定に拠ると父母の喪は12ヶ月~13ヶ月であると制定されている。

 明治7年、太政官 に拠って公布された太政官布告(「忌服令」昭和22年に廃止)では、「父母、夫、50日、13ヶ月。妻、兄弟姉妹、20日、90日」などと、「忌(忌中)」と「服(喪中)」に関する期間をこと細かく定めている。

 明治42年に制定された「皇室服喪令」では「12か月」と、こちらも「忌服令」などと太政官布告と同様の期間が決められている。「忌」と「服」は謹慎度の深さによって分けられるが、大まかには「忌」は自宅謹慎する期間、法要(四十九日)が終わる期間。「服」は喪服を着用する期間、死者を偲ぶ期間と考えていいだろう。

「忌中」とは、神道での「穢れである死を忌む期間」という考え方から、忌中時(五十日)は「出仕(仕事)を控え、殺生をせず、髭や髪を剃らず、神社に参拝しない」としている。神道でもないのに、こうした慣習を単に真似しているに過ぎない。

 現在では太政官布告や忌服令といった法令は全て撤廃され、仏事の慣例としては今もこの太政官布告が一つの目安にされ、喩えば父母の死亡に際しては七七忌(四十九日)までが忌中、一周忌(一年間)までが喪中とされることが多い様だ。

「喪」は抑々儒教から生じているもので、父母の死には13ヶ月間喪に服するとされる。この13ヶ月の数え方は、月の満ち欠けで数えた太陰暦に由るものだろう。

 その昔は「0(ゼロ)」という観念がないので、父母が亡くなった月が1ヶ月目となり、丸1ヶ月なくてもその月が終われば1ヶ月と数え、翌月は2ヶ月目になる。

「年賀状」の話に戻そう。明治4年に「郵便役所」が設けられ、2年後に「ハガキ郵便配達」が始まったのを機に、遠方以外の人に挨拶状を送る習慣が広まった。

「年賀郵便」の制度は明治39年に始まり、昭和24年には「お年玉付き年賀はがき」が発売されると、年賀状が次第に普及し、年末年始の慣例となり現在に至る。

 通信手段が無い時代に、遠方の友人知人に年に一度の挨拶する為に生まれたのが年賀状であり、服喪期間という個人の故人への思いはそれはそれで好いが、年賀状如きに、亡くなった人まで巻き込んで一喜一憂などする必要はないだろう。

 尤も「喪中だから」と門戸を閉じ、酒肉を断ち、弔せず、賀せず、音曲を成さず、嫁取りをせず、財を分かたず、出仕(仕事)を控え、殺生をせず、髭や髪を剃らず、自らを厳しく律している方なら別だが、そういう奇特な人物なんぞいない。

 愚生の場合、神道だから戒名は要らない。「葬儀・告別式」や「年忌法要」も「偲ぶ会」なども「やる必要なし!」と断ってる。だから当然、愚生が死んでも喪に服する必要もないし、「死んだらハイそれまで。愚生のことなんぞ忘れて結構!」。若し、愚生のこうした思いを無視する様なら化けて出るつもりだ。呵呵大笑。

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cordial8317 at 08:26│Comments(0)

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