福島県民に勇気と感動を与えて下された両陛下男の酒のうれしさは たちまち通う意気と熱

2012年10月16日

野田に「一層奮励努力せよ!」なんて訓示されてもなぁ

 海上自衛隊の観艦式で野田佳彦首相は、尖閣諸島を巡る緊張や周辺諸国の情勢を念頭に「自衛隊の使命は重要性を増している」との認識を示し、旧海軍兵学校の「五省」を引用しながら「諸君が一層奮励努力することを切に望む」と訓示した。相変わらず声だけは好いし、弁舌も爽やかではあるがどうも心に響かない。

 野田は所信表明演説でも勝海舟の言葉を引用し、「政治家に求められるのは正心誠意の四文字が在るのみ」と強調し、「正心誠意とは、自らの心を正しくし、政治家としての良心に忠実にすることだ」と、野田自らその意味を説明した。

 野田に在るのは正心誠意どころか、自己保身と民主党政権の延命だけだろう。「正心誠意」とは、勝海舟の談話集「氷川清話」に記されている。

 元々は儒教の古典「大学」の一節である。一部摘記すれば、「其の身を修めんと欲する者は、先ず其の心を正しくす」の部分を、海舟が政治家の秘訣として「政治家は、唯唯正心誠意在るのみ。この四文字に拠りて遣りさえすれば、譬え如何なる人民でも心服しない者はいない。何事も知行合一でなければならない」と訓えた。

 政治家として言葉の重みも知らない故に、「近いうち」などという誤魔化しが口を吐く。観艦式での訓示でも、言葉だけは勇ましいが、上っ面しか齧ってないから中身の無い迷演説になってしまうのだ。正に「虎を画きて狗に類す」の類(苦笑)

「一層奮励努力せよ!」とは、日露戦争の明治38(1905)年5月27日 から 翌日にかけての日本海海戦の際、トラファルガー海戦の事例に倣い、東郷平八郎連合艦隊司令長官の座乗する旗艦「三笠」のマストにアルファベット最後の文字であるZ旗を掲揚し、「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ」という意味を持たせて掲揚したのが最初だという。この文案は連合艦隊参謀・秋山真之とされている。

 日本海海戦の逸話以降、日本海軍ではZ旗は特別な意味を持つこととなり、大東亜戦争での日本海軍でも旗艦のマストにZ旗を掲揚することが慣例化した。因みにZ旗は船同士の意思疎通に用いる国際信号旗の一つだが、国内ではスポーツ競技の応援など負けられない勝負に挑む際に「勝利」を祈願して用いられる場合も少なくない。

 国際信号旗はアルファベット文字旗(26種)、数字旗(10種)、代表旗(3種)、回答旗(1種)の計40種がある。この中でZ旗はアルファベットの【Z】の文字を示す信号として用いられる他にも、例えば単独では、「私は曳き船が欲しい」とか、漁場では「私は投網中である」の意を示す信号としても用いるという。

 夫夫の旗は、白、赤、黄、青、黒の5色からなり、各旗の組み合わせで一字~四字信号(一旒~四旒)を表し、日露戦争では、ロシアが終に X・ G ・ E旗 を掲げた。つまり「我レ降伏ス」となり、日本が歴史的大勝利を収めたのだった。

 国際的にはZ旗は前節の意味しか有していないが、日本でのZ旗はバルチック艦隊を撃滅した象徴として特別な意味を持つ旗としても広く認知されている。

 厚顔無恥な野田は、旧海軍兵学校の「五省」も読み上げたというが、誠実さも無ければ、言行一致でもない野田が宣ったところで嗤われるのがオチだろう。

 一、至誠に悖るなかりしか(誠実さに背いていなかったか)
 一、言行に恥ずるなかりしか(言行不一致な点はなかったか)
 一、気力に缺くるなかりしか(精神力に欠いた点はなかったか)
 一、努力に憾みなかりしか(努力するのに心残りはなかったか)
 一、不精に亘るなかりしか(怠けてものぐさになっていなかったか)

 「五省」は旧海軍江田島海軍兵学校で使用されていたもので、夜間「自習止め5分前」にラッパが鳴り響くと、生徒は粛然と姿勢を正し、その日当番の生徒が自習室正面に掲げられている東郷元帥読書の「軍人勅諭五箇條」を奉読した。

 続いてこの「五省」を次々に問いかけた。生徒らは瞑想し、心中でその問いに答えながら、その日一日の自分の行動について自省自戒したという。今でも、自衛隊隊員や海上保安庁職員の中には「五省」を常用している人も少なくないという。

 日本は「恥の文化」だと云われているが、昨今は政治家を始め、官界、財界などあらゆる場に恥ずべき行為が溢れている。こうした連中にこそ「五省」は必携であり、毎夜、自分自身に問い掛け、日々の行いを猛省するべきだ思う。

 江戸時代の昔で云えば、「恥を知れ、恥を!」と罵っただろうが、恥を恥とも思わない輩にはこの言葉は効力を発揮しない。武士道では、「恥」とは侍(士)を愚弄する最大の言葉であった為に、武士は自らを省みて峻烈に生きていたのだ。

 論語には「過ちて改めざる是を過ちと謂う」という言葉も在る。野田ら恥を知ることのない輩を反面教師とし、自己を省み、人格陶冶に努めなければならない。

cordial8317 at 09:15│Comments(0)

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