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2022年01月18日

「死後の幸せ」を意味する「冥福」は宗派によっては使用してはならない

 地元紙に実兄が出てた。先日死去した漫画家・水島新司の追悼記事。大学時代、草野球で水島新司とバッテリーを組んだこと。また、漫画「ドカベン」の甲子園決勝で明訓高校の対戦相手の「いわき東高」の2番打者で「佐久間」選手のモデルになったことなどを語ってる。愚生もこの自慢話をよく聞かされてたっけ(笑)

 ただ、記事の中での「ご冥福を祈る」との表現はチョッと違和感を覚えるなぁ。純粋なお悔やみを否定する訳ではないが、「冥福」というのは「死後の幸福をお祈りします」意味。浄土真宗では「死というのは穢れではない」と教えているから、「死後の幸せ」を意味する「冥福」は使ってはならない言葉でもある。

 浄土真宗は、「故人を阿弥陀如来の智慧の光明によって極楽浄土へと導く」という真理であり、死後の幸せより、阿弥陀如来への信心を重視している宗派である。「ご冥福」というとそれらしく聞こえるからつい使いたがるが間違っている。

 浄土真宗やキリスト教など宗派に拠っては故人への冒涜となることもあるから易易と使ってはいけません。故人の宗派が分からない場合は、「お悔やみ申し上げます」「ご愁傷様です」「哀悼の意を表します」などと言い換えた方が好い。

 政治家の選挙活動の一環である弔電も、故人の宗派に関係なく「ご冥福」のオンパレード。恐らくは宗教の訓えなんぞ知らないバカな秘書がやってるのだろうが、こういう一票欲しさの選挙運動である弔電披露なら送らないない方が好い。

 人間というのは、誰しも健康であれば明日があると思って生きている。自分だけは「直ぐには死ぬことはない」と思って生きている人が殆どだろう。「死」というものは貧乏だろうが金持ちだろうが、誰にでも平等に与えられた道でもある。

 人間というのは死に向かっているのに必死に生きる。「死と生」というこの二つは矛盾してる。生き続けるというのは、死に近付いているということでもある。

 日本人の多くは仏教徒だろうが、その宗派も分からない人が多い。死んだ時だけ坊主のお経を有り難がり、死後に戒名を頂く意味すらも分かっていない(苦笑)

 抑々、自分の家や先祖の宗派を知ってる人は少ない。宗派や仏教の教えを理解していないから「ご冥福を」などという言葉が簡単に口から出てしまうのだ。

 そういう人に限って、墓参りにしても宗派関係なく「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」で済ませていないか。まぁ、墓参りしてるだけ好い方か(笑)

 愚生の実家は真言宗だから「南無大師遍照金剛」と唱える。愚妻の実家は曹洞宗だから「南無釈迦牟尼仏」。然し乍ら、身内でもきちんと唱えている人は少ない。

 大半の人は、墓参りや先祖供養は仏教の習慣であり、お釈迦様の教えであると信じているが、先祖供養や墓参りは天皇の詔(みことのり)として始められた行事だった。春と秋に行われる皇霊祭が、国民が祖先を供養する行事として定着した。

 仏教とは、釈迦牟尼の悟りから出発した釈迦牟尼の教えであり、その仏教は「輪廻思想」を大前提としている。釈迦牟尼は「生・老・病・死」という“四苦は人間の宿命であり、この世に生まれて生きること自体を苦しみとした。

 釈迦牟尼は現世を苦しみの世界と捉えた。仏教の目的は、悟りを得て輪廻から抜け出す。輪廻とは、衆生が三界六道の中で死と再生を繰り返し続けることである。この輪廻から抜け出たとき、本当の幸せが訪れると考えている。

 仏教での修行は、輪廻から抜け出すことを目的としたものである。俗に彼岸の中日には先祖に感謝し、前後の6日間は悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目である「六波羅蜜(ろくはらみ)」を1日に1つずつ修める日とされている。

 六波羅蜜の修行とは、施しという徳の「布施波羅蜜」、戒律を守る徳の「持戒波羅蜜」、忍耐という徳の「忍辱波羅蜜」、努力という徳の「精進波羅蜜」、精神統一という徳の「禅定波羅蜜」、智慧という徳の「般若波羅蜜」をいう。

 六つの徳目の中で「持戒」「忍辱」「精進」「禅定」「智慧」という教えは言葉では理解出来るが、これらを修め身にするのは容易なことではない。

 死んでも「戒名さえ貰えば極楽浄土に往ける」と思ってる仏教徒ばっかだが、戒名を頂くということは「お釈迦様の弟子になる」ということであり、要は、仏教徒というのは生きている間も修行、死後もその修行は延々と続くのである。

 訃報に接すると軽々しく「ご冥福を」などと書き込んで悲しんでるそこの貴方、これを機に親や先祖の宗派や「死」について考えてみては如何でしょう。呵呵。

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