2023年08月12日
人生とは長く生きた年月ではなく如何に生きたかという中身が大事
孔子は、「吾、十有五にして学に志す、三十にして立つ、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順う、七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えず」との人生観を訓えた。愚生の六十三の人生を振り返れば恥入ることばかり。
「六十にして耳順う」とは、「他人の意見に反発を感じることも少なくなり、素直に耳を傾けられるようになる」らしいが、愚生の性格からして共産党や無自覚左翼の異なる意見や生理的に合わないヤツには死ぬまで反発してると思う(笑)
還暦祝いでは、赤色の頭巾やちゃんちゃんこなどを贈る習慣があるが、これは昔は魔除けの意味で、赤ちゃんの産着に赤色が使われていたことの名残り。
還暦というのは「生誕時に還る」という意味であり、還暦とは、「干支(十干十二支)」が一巡して誕生した年の干支に還ること。本卦還り(ほんけがえり)とも言い、生まれた年の干支と同じ干支の年が来ることで「暦が還る」となる。
「十二支」は、知っての通り子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種類。「十干」は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類。「干支」の組み合わせが60通りある。愚生が生まれた昭和35年は「子年庚子」となる。
活動家時代、物心両面で支援して頂いた大手警備会社・テイケイの高花豊会長から「活動家が長生きすると惨めな生活しか待ってませんよ」と言われたのを思い出す。
右翼になった頃、まさか還暦を越えるなどとは思いもしなかったが、高齢者右翼になってしまった今、高花会長の「惨めな生活」の言葉をしみじみと感じている(笑)
「社会は肉体の安全を保障するが、魂の安全は保証しない」と言ったのは三島由紀夫。大事にしなければならないものは肉体より魂や精神性であると熟熟思う。
今は亡き石原慎太郎が、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)を患った女性の尊厳死に関し、ALSを「業病」に準えていたのを思い出すが、業病とは前世の悪行の報いで罹るとされている治り難い病気のことで、業病とはオカルトや宗教に行き着く。
石原のツイートでの「業病」ばかりが問題にされて感情的に批判に曝されてたが、肝心な中身が伝わって来ない。ツイートの「業病」を消すとこんな感じだ。
「ALSに侵され、自殺のための身動きも出来ぬ女性が尊厳死を願って相談した二人の医師が、薬を与え手助けした事で『殺害』容疑で起訴された。武士道の切腹の際の苦しみを救うための介錯の美徳も知らぬ検察の愚かしさに腹が立つ・・・」
石原という人物は好きではないがこの言葉は決して批判されるものではない。死生観の違いだが、愚生も他人を煩わせてまで長生きはしたくない。安楽死というより「尊厳死」というのは生きる上での選択肢の一つとして有っても好いと思う。
未だに石原を真の保守だと勘違いしている人も多いが、石原というのは橋下徹などと同じく反天皇論者であり、尊皇精神は無い。石原は作家故に言葉の過激さを売りに支持されて来た。一方で、過激な言葉と逆行する言葉の軽さが目立ったのも確か。
国旗、国歌についても「日の丸は好きだけれど、君が代って歌は嫌いなんだ、個人的には。歌詞だってあれは一種の滅私奉公みたいな内容だ。新しい国歌を作ったらイイじゃないか。好きな方、歌いやイイんだよ」と、毎日新聞のインタビューに答えているが、これこそが石原の本音であり、尊皇無き保守の正体だった。
国歌の内容が「滅私奉公」だとして、それの何が悪いのか。今や「滅私奉公」という言葉は死語だ。自己犠牲を中心にした無理な生き方より自分本位の生き方が優先される時代に於いて、滅私奉公を想像させるのであれば結構なことではないか。
嘗て三島由紀夫は、石原慎太郎と「守るべきものの価値」との対談の中で、三島が「日本のアイデンティティーとして三種の神器、宮中三殿を守らなくてはならない」と発言すると、石原は「またそんなことを言うの」と三島を小馬鹿にし、国體や皇統を否定していた。これを以てしても保守や右翼とは真逆の輩といえよう。
石原はよく三島由紀夫と比べられることが多かったが、石原には武士道が重んじる「礼節」や「尚武の精神」というものが全く備わってはいなかった。
武士道に通じる三島との大きな違いはそこだが、ALSの女性への尊厳死を「武士道の切腹の際の苦しみを救う為の介錯の美徳」との石原の言葉に違和感を覚えた。
石原慎太郎も長生きし過ぎた。作家であり発する言葉は巧みではあるがその言葉に魂は無い。そろそろ楽隠居した方が好いと思っていたが幽冥境を異にした。
釈迦牟尼曰く「長生きは無間地獄」とは正しく。人生とは長く生きた年月ではなく、如何に生きたかが大事である。愚生も右翼浪人として、残り少ない人生の中で一旦緩急が有ることを願い、微力乍ら義勇公に奉じて人生を閉じたいものだ。呵呵。
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cordial8317 at 04:40│Comments(0)
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