テロリスト集団への死刑執行に抗議の声が挙がる不思議安積疏水事業は大久保利通の夢だったのか

2018年07月10日

西郷隆盛は語られている様に傑物だったのだろうか・・・

 大河ドラマ「西郷どん」に興味は無いが、鈴木亮平ファンの愚妻は毎週ビデオに録画して楽しみに観てる様だ。愚生は最近、西郷隆盛という人物像は語られてる様な傑物ではなかったのではなかろうかと疑っている。

 二度の遠島処分、自殺未遂、三人の女性との結婚、波瀾と華やかさが相交じる生涯の裏では常に死の影が付き纏っていた。西郷は「いつ死んだって好い」という処生観を持ち、人生を開き直って生きている様なところがあったという。

 私利私欲や保身とは無縁で、清濁併せ呑む器用さもなく、その大人格故に多くの信望を集め、また自分の死に際でさえ実に潔い人物だったのは確かだろう。

 一方で意外に繊細な面もあり、桜田門外の変での水戸藩士との起請の反故という狡猾さを備え、慶喜公や会津藩糾弾に見られる執拗さも垣間見れる。

「南洲翁遺訓」などを読めば、西郷の指導者としての度量の深さと無上の高潔さを感じ取れるが、歴史的偉人の言葉というのはその多くが自戒であり、西郷が好んだ「敬天愛人」の思想もまたそういった生き様の裏返しの様にも思える。

 西郷隆盛を評する書籍は多くあるが、キリスト教思想家の内村鑑三は「代表的日本人」の中で西郷についてこう述べている。

「西郷ほど生活上の欲望が無かった人は他にいなかったように思えます。月収が数百万円であった頃、必要とする分は15円で足り、残りは困っている友人に分け与えられました。普段着は薩摩絣で木綿帯、履き物は下駄で過ごした」

 質素な生活ぶりは窺い知れるが「月収が数百万」とは驚く他はない。新政権樹立後、参議とはいえ何の役にも就かず居た者に月々数百万円の手当とは。

 その出所は何処なのか。巷間言われていた様に東軍征伐の過程で各藩から強奪し、恭順させる証しとして上納させ蓄えてた金ではなかったか。

 明治新政府の歴歴は皆高給だったのか。とすれば明治維新とは「尊皇攘夷」を騙った一部特権階級の為の利権独占が目的だったのではあるまいか。

 歴史に「もし」は無いが、もし、勝海舟が西郷隆盛との会談で江戸城の無血開城を諒としたことを以て徳川幕府が崩壊したのなら、その後の東北や会津、函館での戦いに大義があったとは思えないのだ。

 慶喜公の恭順と江戸城の無血開城に満足せず、代わりに会津を攻め落とすことで徳川時代終焉の象徴にした訳だが、大西郷たるもの会津戦争をどうにか回避出来なかったものか。河合継之助との新潟小千谷の慈眼寺での会談然り。

 継之助は、長岡藩の中立を保ち和平交渉を進めようと、山縣狂介(有朋)か黒田清隆との会談を希望するも登場したのは弱冠23歳の岩村精一郎。西郷、否、山縣や黒田らに武士道精神が残っていたら後の歴史は変わっていただろう。

 日本文学と日本文化研究の第一人者であるナルド・キーンは、岩村の人物像をして「無能で横柄な岩村の抜擢は、最悪の選択だったと言える」と厳しく評しているが、こういう木っ端を送り込んだ西軍の傲岸不遜さは維新後も続くこととなる。

 その岩村は、後に自伝で「途中で従う様になった信州各藩の家老は平凡な人材ばかりで、河井についても経歴や人物を知らなかった為に、時間稼ぎをしているだけだと思った」と述懐しているが、何という愚かさか。

 この岩村を始めとした西軍の無知と熟慮を欠いた判断が、長岡藩を奥羽列藩同盟側へ追い込むこととなり、歴史に汚点を残すこととなった。

「もし」河井と山縣や黒田、或いは西郷との直接会談が実現していれば「北越戦争」を避けられただろうし、その後の「会津戦争」も避けられただろう。何より、長州閥で固められた維新後の我が国の姿も違っていたかも知れない。

 そこまで執拗に徳川や会津を責めた西郷だったが、その後、自らの信念であった「征韓論」で大久保利通らと対立し、薩摩へ帰郷することとなった。

「佐賀の乱」「神風連の乱」「秋月の乱」「萩の乱」など士族の反乱が続く中で、明治10年(1877年)に西郷が主宰する私学校生徒の暴動から「西南戦争」が勃発。その指導者となるが、敗れて城山で自刃した。

 西郷の自裁は、歴史というのは正義が常に正義ではなく、正義が敗れることもあるという一例だろう。「勝てば官軍負ければ賊軍」と騙って勝利に酔った西郷が賊軍に落ちた瞬間である。歴史とは実に実に異なものである。

 我が国の戦後体制の諸矛盾や不条理の元凶は「ヤルタポツダム体制」は然ることながら、西郷隆盛や勝海舟ら士風を損ねた幕閣共と、何より遺恨の末の明治開国という大義無き尊皇攘夷を謀った長州閥の明治新政府に在る。

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cordial8317 at 08:52│Comments(0)

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