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2016年03月27日

日本人の信仰である「神道」とはどんな教えか

 自民党の大西英男衆院議員は、衆院北海道5区補選に出馬する自民党候補の必勝祈願を行った神社の巫女に応援を依頼すると「自民はあまり好きじゃない」と言われたというが、神社で冗談半分に投票依頼してどうすんの(笑)

「巫女さんのくせになんだと思った」と発言し物議を呼んだが、「巫女のくせに」とは余計で、「巫女なのになんなんだ」と言えばまた違ったかもしれない。

 社神庁の「神道政治連盟」は自民党の支持母体でもあり、そういしたことが発言に繋がったのだろうが、自民党議員全員が「神道」の意味を理解し、国體護持、皇統の死守に努力しているのかといえばそうでもなく、大西議員の驕りと断じられても仕方がない。

 巫女も、「自民党は好きじゃない」というのはいいが、「日本を戦争する国にしてはならないと」する民主、共産、社民党らが推す相手の女性候補を支持してるというなら話は別で、巫女の発言真意はどういうものだったのか興味が注がれる。

 それにしても、金儲けしか頭にない葬式仏教ではないが、最近は営利に奔る神社も少なくなく、「道神」の意味も分からず、神の遣いは二の次でバイト感覚でやってる神官や巫女もいるのは確かだろう。

 抑々、日本人の信仰である「神道」とはどういうものか。

「豊葦原(とよあしはら)の千五百(ちいほ)秋の瑞穂の国は、是れ吾が子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地なり。宜しく爾皇孫(いましすめみま)、就(ゆ)きて治(しら)せ。行(さきく)ませ、宝祖(あまひつぎ)の隆えまさむこと、当に天壌(あめつち)と窮(きわま)り無かるべし」(日本書紀)

 自然は、人智の及ばない大いなる存在である。雷雨や日照りや嵐を人間は制御することは到底出来るものではない。

 人々は、自然を征服すべく挑み続けるか、それとも自然と共に生きて行くかなのだが、賢明なことに、先人は共生することを選び、我々もその道を選んできた。

 自然は一瞬のうちに暴れ回り甚大な被害を与えたりもするが、同時に無限の恵みを齎してくれたりもする。

 そこで人々は、自然の織り成す新羅万象を「神」と呼び、豊穣を齎してくれた「神」を称え、荒ぶる「神」を畏れ、鎮め、人々は「神」と共に生きて来た。

 新羅万象の全てが「神」の姿で、山の神、海の神、或いは岬、谷、森、石、水・・・、そして人も、その神の在る景色の一部に過ぎず、これこそが八百万の神である。 我が国の信仰である「神道」は、こうした世界の中から生まれた。

 神と共にあるから「惟神(カンナガラ)」といい、神の命を与えられているから人は「神の子」、生命は神の「分霊(ワケミタマ)」と考えられた。

 人は、彼等の暮らす土地の神「産土神(ウブスナガミ」の御陰を被って誕生し、産土神や、その他諸々の神々と正しく付き合っていくことで四季の恵みを享受し、そして最後には、産土神に導かれて祖霊の世界に帰って行ったという教えである。

 民衆レベルの神々の世界は、この様な意味付けを必要としないまでも、自然に体現し、「神」を感じとっていたのだろうと推測する。

 こうした神々の世界に、天上界の別格の神々の世界「高天原(タカアマハラ、タカアマノハラ、タカノアマハラ、、タカマノハラ、タカマガハラ )」が重ねられたのは、天皇による国家統一以降のことである。
 
「高天原」とは、自然信仰の観念に重ねられた神々の天上世界である。天に固有の住居を持つ神々は、高天原で育てた稲(ユニワノイナホ)をその苗裔に授けるという神話によって、この国の神々の世界に革新を齎した。

 地上の王権は、高天原の神々の苗裔である天皇の支配するところとなり、地上に住居を持つ国津神(クニツカミ)は高天原に住む天津神(アマツカミ)の支配下に入った。これが「神祇(ジンギ)」の世界の誕生である。

 高天原というのは、神道の中に生じた垂直思考の産物であるが、民衆レベルでは、自然と共にある神は、何処まで行っても水平に広がる世界だった。

 太陽の昇る東の方位には「命の源の世界」が在り、日の沈む西の果てには「死の世界」が在った。

 この水平に広がる生と死の世界に高天原という垂直の軸が導入されることによって、世界はその頭上に「高天原」、高天原の下には水平に広がる「中津国(ナカツクニ)」と「海神(ワタツミ)の世界」、そして「黄泉の国(ヨミノクニ)」という三層構造が完備されることになったのである。

「古事記」や「日本書記」では、これらの世界が全て「高天原」の支配下に入るように神話を整え、高天原は天照大御神が支配した。中津国は、その苗裔である天皇(スメラギ、スメラミコト)の支配領と定めた。

 海は素戔男尊(スサノオ)、ないし月読尊(ツキヨミノミコト)、或いは神武天皇の兄である稲氷命(イナビノミコト)の支配下に入り、黄泉の国は、やはり天津国である伊弉諾(イザナギ)ないしその息子である素戔男尊の世界となった。 

「高天原」の登場によって、「神道」は原始宗教の一形態(シャーマニズム)から、固有の神々の世界と信仰が生まれていったのである。

cordial8317 at 07:58│Comments(0)

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