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2011年01月19日

「葉隠聞書」は優れた道徳規範の書

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 「葉隠の正式名称は「葉隠聞書」といい、佐賀藩士・山本常朝(つねとも)が、同藩の田代陣基(つらもと)に語った口述記録。「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」という一節は有名だが、一般に「武士道」というと新渡戸稲造の「武士道」と共に「葉隠」を思い出す人は多い。そして、「葉隠」から思い出すイメージは右翼的、忠君愛国的というものだ。「葉隠」は親鸞の「歎異抄」とともに、学徒出陣で戦地に赴いた学生達に最も読まれた本でもあり、それは「歎異抄」が「死の平安」を語り、「葉隠」が「死の覚悟」を語ったものだったからだろう。

 冒頭での「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」だけが独り歩きし、「葉隠」を読まずに「危険な書」だと思っているのではないだろうか。三島由紀夫は「葉隠入門」で「行動の知恵と決意が自ずと逆説を生んで行く、類の無い不思議な道徳書。如何にも精気に溢れ、如何にも明朗な人間的な書物」と語っている。確かに「葉隠」は「死に狂いの思想」と云われている様に狂信的な処も多いが、一方で現代人にも通用するものも多く非常に役に立つものだと思う。

 例えば「意見の仕方」だが、「『人に意見してその人の欠点を直す』ということは大切なことであり、慈悲の心とも言える。 ただ、意見の仕方には骨を折る必要がある。大方の人は、人に好まれない言い難い事を言ってやるのが親切の様に思い、それが受け入れられなければ、自分の力が足りなかったとしている様だ。こうしたやり方は何ら役に立たない。ただ悪戯に人に恥をかかせ、悪口を言うだけの事と同じ結果になってしまう」

 「意見というものは先ず、その人がそれを受け入れられるかどうかを見極め、相手と親しくなり、何時も信用する様な状態で仕向ける処から始めなければならない。言い方なども工夫し、時節を考え、自分の失敗談等を話しながら、余計な事を言わなくても思い当たる様に仕向けるのが良い。先ずは良い処を褒めて気分を引き立てる様に心を砕き、そうした上で欠点を直していくというのが意見というものである」と説く。なんと細やかな心遣い、此れ程の気遣いをする現代人はいないだろう。

 「葉隠」は「美しく死ぬか」と教え、同時に「何の為に生きるか」と説く。常朝は「人間の一生なんて真に短いものだ。だから、好きなことをして暮らすべきである。夢の間の間の中にあって、嫌なことばかりして苦しんで暮らすことは愚かなることである。だが、このことは悪く解釈されては害になるので、若い人などには最後まで話すことがなかった秘伝といったものである。自分は寝ることが好きだ。だから、今の境遇に合わせて、家に閉篭り、寝て暮らそうと考えている」と説くが、三島由紀夫はこれを「逆説」といい、「葉隠」はその裏の真実を読み取る術が要求されるとも語っている。

 封建道徳は「悪」といった概念で読む人には理解されないだろうが、武士道の世界は現代人よりももっと優しさに満ちた世界だったことが理解出来る。常朝は世知に長けた人物であり、「葉隠」は優れた道徳規範と処世術を教えてくれる名著なのだ。一読されたし。

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cordial8317 at 07:22
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