「ブタペスト覚書」を信用して核兵器を放棄したウクライナの悲劇サンデーモーニングの常連コメンテーター・寺島実郎の薄っぺらい論評を嗤う

2022年03月02日

「核は保有しない・製造しない・持ち込ませない」というが・・・

 安倍晋三元首相がフジテレビの報道番組で、日米安保体制下での米国の核の共有(核シェアリング)を語ったことで、「核兵器を持たず・造らず・持ち込ませず」という非核三原則の賛否がネット上などで繰り広げられている。

 我が国は、悲しい哉、国家の防衛という国家百年の大計を放棄し米国に丸投げという歪な体制を取っている。政府は「非核三原則」を掲げてはいるが、反米左翼でさえも我が国の安全は米国の核の傘が守ってくれているということを理解している。

 非核三原則を提唱したのは佐藤栄作元首相。この功績が認められ日本人初のノーベル平和賞を受賞した。栄作は岸信介の実弟。大甥の安倍晋三が、大叔父の提唱した「非核三原則」の矛盾を正し、核共有という問題を提起したと言える。

 日本国憲法の平和主義という理想と同じく、非核三原則はあくまでも原則でしかない。「核兵器を持たず・造らず」は分かるが、「持ち込ませず」というのは無理がある。米軍の原子力潜水艦や空母から核兵器を何処でどうやって下すのか(笑)

「核を持ち込ませない」「原潜空母の寄航もダメ」と批判しながら、一方で「日本を守って下さい」などというのは余りにも都合が好過ぎるというものだろう。

 核保有の議論が出始めたのは、主権回復直後に締結した日米平和条約を改定し、日米安保条約が新たに締結される昭和35(1960)年の頃。こうした核武装論は米国からの自主独立の好機であったが、我が国は米国の実質的属国化を選んだ。

 改憲議論や核武装を含めた安全保障努力を放棄したのだが、米国の属国化を謀ってるのは自民党も然ることながら、反米左翼の貢献に因るところが大きい。

「反米」や「米軍基地反対」を叫ぶなら、国防体制を強化して我が国の主権確立に立ち上がるべきだろうが、左翼にとって米国の属国の方が都合が好いのだ。

 彼奴等の反米闘争は中国共産党の第五列というのが正しい。世界の左翼は愛国者だが、愛国心が欠落してるのは日本だけの珍現象であり、正に日本珍左翼(苦笑)

 日米安保条約の規定に際して、当時の藤山愛一郎外務大臣は「核兵器を搭載した艦船や航空機の寄港、通過は事前協議の対象にしない」ことを申し合わせており、つまり非核三原則の「持ち込ませない」とは当時から有名無実だったということ。

 この「討議録」は既に米国で公開され明らかになっている。過去に、外務大臣を務めた岡田克也が既に公開されて内容が明らかになっている事前協議を「密約説」として騒ぎ立て、「非核三原則に反する」として大騒ぎしたことを思い出す。

 我が国の近隣諸国は中共やロシア、北朝鮮と危険な国ばかりで、これらの脅威に対抗する安全保障措置として米国の核の傘以外の何か存在するというのだろうか。

 米ソ冷戦時代、我が国の平和が続いたのは別に第九条や平和憲法のお陰ではなく、米国の「核の傘」に拠るものと、単なる偶然の賜物だった。非核三原則は冷戦時代の副産物であり、「核を持ち込ませない」という原則は当時から破綻している。

 非核三原則を奉って、持ち込ませないどころか北朝鮮やロシア・中共から「飛んできた」ならどう対応するのか。非核三原則が我が国の国益に適う物だとは到底思えないし、非核三原則堅持を表明した岸田首相に我が国を護る気概を全く感じない。

 自民党内でも意見がバラバラ。岸田は核共有を否定し、福田達夫総務会長は「核共有の議論は回避するべきではない」と発言している。核共有の議論さえも出来ないとはバカげてる。正に危機感が乏しい「平和ボケ」の象徴である。

「平和ボケ」とは、高度成長からバブル時代にかけて、金儲けや飽食に狂奔してきた世相や、空想的平和論を弄び、米国の核には反対しても中国共産党やロシアの核には反対したことも無いインチキ平和団体や左翼運動家を揶揄した言葉である。

 プーチンのウクライナへの侵略に続いて、習近平が台湾併呑を謀るだろう。ウクライナの戦況如何では近隣アジアが第三次世界大戦に巻き込まれる危険を孕む。

 外交的駆引きが求められる中で、米国の核共有を否定する言辞は近隣の腹黒い首魁どもを喜ばせるだけ。アジアで紛争が起こり日米安保条約が機能しない場合も想定し、自らの国の「平和」を自ら創り出す最善を尽くさなければならない。

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cordial8317 at 08:17│Comments(2)

この記事へのコメント

2. Posted by 爆発五郎   2010年03月11日 06:44
中年の星さん、いつも拙ブログにコメント有難うございます。

岡田克也の顔の崩れ様は尋常じゃ有りませんね。
あの、貧乏神の様な面を見ると、こっちまで暗くなります。
福島瑞穂もそうですが、日本を貶めるのに必死な連中に共通するのは醜い顔です。
1. Posted by 中年の星   2010年03月10日 11:20
爆発五郎様
岡田克也が鬼の首でも取ったかのような、
誇らしげな顔をしてましたね。
「密約」を暴いたヒーローとでも思っているので
しょうか。
「平和ボケ」ここに極まれりです。

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