2014年05月

2014年05月27日

「海軍記念日」に大日本帝国海軍軍人だった亡き父を偲ぶ

 今日5月27日は「海軍記念日」。明治38年5月27日、日露戦争での天下分け目の戦いでもある「日本海海戦」が行われ、大日本帝国海軍・東郷平八郎元帥率いる連合艦隊がロシアのバルチック艦隊を撃滅し、奇跡的大勝利を収めた日である。

 日露戦争の勝利は欧米列強に日本の地位を認めさせることとなり、幕末以来からの懸案事項だった不平等条約、畢竟、明治維新の真の目的だった「治外法権」「関税自主権」という二つの不平等条約の克服を達成することになった。

 日清・日露戦争勝利に拠り「治外法権」「関税自主権」の回復が成されたことで明治維新の大業は成就し、真に独立を恢復することが出来たのである。我が国の近代史にとって重要な歴史的記念日であるが、今や国民の記憶から忘れられてしまった。 

 明治37年(1904)2月10日、我が国は当時世界最大の軍事大国だったロシアと民族の生死を賭けた戦いを開始。1年半にも及ぶ強国との大戦に我が国は奇跡的とも言える勝利を収め、極東小国日本の存在を世界に知らしめることとなった。

 日露戦争の勝利は、ロシアから占領・弾圧されていたフィンランド、トルコ、ポーランドといったロシアの周辺の国々や、有色人種と差別されていた民族や植民地の人々に、国家と民族の存在を決定的に変える影響を齎したのである。

 15世紀の大航海時代以来の白人による世界制覇の滔々たる流れが、日本の勝利によって大きく変化し、全世界の有色人種に与えた影響は強烈なものだった。

 インドのガンジー、ビルマのオマッタ、フィリピンのリカルテ、ベトナムのファン・ボイ・チャウ、エジプトのムスタファ・カミール、トルコのケマル・パシャ等等、西欧諸国の植民地国や世界の各地で日本の勝利に狂喜したのであった。

 有色人種が白人に劣らないことに確信を持ち、各地で独立運動が湧き上がって往く。米国内でも、黒人に人種平等の自信を与え、黒人解放運動の支えとなったのは有名な話しだ。黒人誌「インディアナポリス・フリーマン」は社説でこう述べる。

「東洋のリングで、黄色い男達のパンチが白人を打ちのめし続けている。事実、ロシアは繰り返し何度も日本人にこっぴどくやられて、セコンドは今にもタオルを投げ入れ様としている。有色人種がこの試合をものにするには、もう時間の問題だ。長く続いた白人優位の神話が、遂に今、突き崩され様としている・・・」

 日本勝利から15年後、パリ講和会議に於いて日本は国際連盟規約に「人種平等の原則」を入れる提案を行った。日本の全権使節団が、パリに向かう途中、ニューヨークに立ち寄った折に、黒人指導者4人が、「世界のあらゆる人種差別と偏見を無くすことに尽力して欲しい」という嘆願書を日本の全権団に提出した。

 然し乍ら、こうした黒人の願いも、米国大統領ウイルソンが議長を務めるパリ講和会議で拒絶されていまうのである。「有色人種に人権なんぞ与える必要はない」との人種差別や日本に対する偏見と憎悪が会議で横溢していたのは明らかだろう。

 日露戦争が齎した歴史的課題は、結局は大東亜戦争を待たなければならなかった。先の戦争で我が国は敗れはしたが、戦後、悲願であった「人種平等の原則」という歴史的使命は果たされた事実を見れば我が国こそが真の勝利者だったと言えよう。

 5月27日は、父の命日でもある。父は昭和3年6月11日生まれ、成績優秀ながら家は赤貧で進学など出来るものではなく、尋常高等小学校を卒業すると15歳で海軍に入隊、横須賀海軍工廠に於いて大日本帝国海軍軍人としての人生が始まった。

 その後、土浦の予科練を経て終戦を迎える。帰郷せずに想い出の地「相模原」で土木作業員として従事し資金を貯め、郷土に帰還後「相模屋衣料店」を起業する。

 着る服にも困ってた時代、東京・日本橋で大量に仕入れて来る衣服は人気を集め事業は大成功を収め、若くしてかなりの財産を築いた。だが「満つれば虧く」とはよく言ったもので、栄華を極めれば衰えるのが世の常。その後、呉服屋も芳しくなく、政治に目覚めたのが運のツキか、自身の放蕩も重なり借金は膨らんで行く。

 終に店仕舞い。だが、父はそうした状況にもめげることなく、「これからはカ・ソ・ラ(カレー・そば・ラーメン)時代だよ」とラーメン屋を開業する。当時珍しかったラーメンは人気を博し、背負った借金も返し、子供4人を育て上げた。

 因みに、親父はラーメン屋の修業はしていない。二本松市内の製麺所の店主からラーメンのレシピを教わり、その一週間後にはオープンさせた。ラーメン屋の傍ら町会議員も5期務め、地方自治にも貢献。今思えば破天荒な親父だった。

 親父のことは尊敬していたが、面と向かうと逆らってばかりいた様な気がする。何故にもっと、親父の若い頃のことや軍隊時代の思い出や20代での起業したことなどを詳しく聞かなかったのだろう。今はそれが返す返すも残念でならない。

 実家の屋号の「相模屋」を見れば、海軍時代と戦後に生き抜いた横須賀や相模原への思い入れが深かったことが分かる。62歳で脳梗塞に倒れ、13年もの闘病生活を経て平成14年5月27日に亡くなった。海軍軍人だった父が「海軍記念日」に逝くとは不思議な縁を感じ、この日を決して忘れることはない。南無大師遍照金剛。合掌。

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2014年05月22日

大飯原発再稼働認めず!判決というより個人のイデオロギーの垂流し!

 福井県大飯原発の再稼働差し止め訴訟は、地震対策に「構造的欠陥」があるとして3、4号機の再稼働は認めない判決を言い渡した。今後、再稼働への道は遠ざかり、益々国力が低下し続けるだろう。司法の劣化もまた益々酷くなるだろう。

 福井地裁の樋口英明裁判長は、その判決の理由として、関電側の耐震設計の基準地震動の目安となる1.8倍の1260ガルまでは過酷事故には至らないとする主張に対して、驚くことに「それを超える地震が来ない根拠はない」と退けている。「それを超える地震が来ない根拠はない」とは根拠のない言いがかりに過ぎない。

 事故が起きた場合の炉心溶融(メルトダウン)までの時間の想定にしろ、冷却機能の確保にしろ、この言いがかりを基にした妄想の判決に過ぎず、反原発派に与する実に安っぽいセンチメンタリズムによる愚かな判決と断じざるを得ない。

 また「福島第一原発事故は、我が国最大の環境汚染」と断じ、二酸化炭素排出削減に原発が効果的であるとの主張も易々と退けた。こうした反原発派や再生可能エネルギーに与する裁判官というのは、ポピュリズム逞しい政治家どもと同じだ。

 漫画「美味しんぼ」で主張された、「除染をしても今の福島には住めない」との主張とその根っこは同じもので、この裁判官・樋口英明の売国及び反日性が窺える。

 最近は裁判官の個人的な感傷に基く主観的判決が目立つ。何故に司法は斯くも幼稚になってしまったのか。こうした判決は司法崩壊の序章であると言わざるを得ない。

 原発が再稼働しない為に、現在、原子炉を冷却する為だけに1日100億円以上の燃料費が費やされているのを知る国民は少ない。唯々、「原発は要らない」「原発は無駄」という理由から、原発停止が当り前であるかの様に主張するが、原発が稼働しないことで起こっている現実にもっと目を向けるべきではないだろうか。

 福島原発事故以来、冷却する為だけに5兆円以上の経費が掛かっている訳で、国民への損害は実に20兆円を超えると言われている。言い方を変えれば、原発事故以来、新エネルギーや再生エネルギー開発という陰で、その開発費どころかそれ以上の血税が無駄に費やされて来たのだ。反原発の恐ろしさを垣間見る数字である。

 今回の判決は、原子力規制委員会が行っている見直しにも大きく影響して来るだろう。それでなくても、現在50基在る原発の審査を終えるのに10年はかかると言われていただけに、実質的には原発の再稼働は無理だということだろう。

 原子力規制委員会の田中委員長は再審査をする上で「経済性には配慮しない」と公言していたが、経済を考えない政策など意味はない。政治と経済は一対の関係であり、喩え政治が優秀でも経済的に疲弊すればその国の将来は危ぶまれる。

 毎日100億円近い燃料費が浪費され続け、こうしたことが続くことで日本経済が決定的なダメージになり、国力が低下するということは考えないが実に不思議だ。

 福井地裁の樋口英明裁判長は、「(巨大地震が)来ない根拠はない」と判決理由に述べているが、日本海側でそれほどまでの地震が起これば、我が国の原発よりも韓国や中共の安全基準を満たしていない原発が破壊されることになるだろう。

 そうなれば一体どうするのか。抑々、福島原発の事故は地震による「天災」ではない。大津波の想定をしていなかった為に発電所内の電源が全て失われ、原子炉冷却に関わるバルブが操作不能になったのが要因であり、更には、菅直人が現場視察を強行した為にベントが遅れた「人災」だったと判断されているだろう。

「人災」でありながら菅を始め誰一人として責任を負わず、またその罪を裁判によって罰せられた者はいない。これは正に司法の正義が崩壊した最たるものだ。そんなことは自覚せず、東電や関電側が恰も事故を誘発し、「事故が起これば取り返しのつかないものとなるだろう」との妄想を押し付けるのは如何なものか。

 原発を無くすことが解決策ではなく、「人災」を猛省し、原発を安全に停止させる技術を高め、冷却装置の機能を失わない対策こそ急ぐべきではないのか。

 マスコミは原発の不安を煽り続けているが、既に福島原発事故の教訓から全国の各原発では「防波堤の建設」「浸水防止ドアの設置」「高台への非常用電源の確保」などの対策が進められているが、大事なのはこういう危機対策である。

 震度7、マグネチュード9という巨大地震の震源地に最も近かった「女川原発」は地震直後、原子炉は安全に停止し、被災者の避難所になった。 世界はこの「女川原発」に注目し、地震対策を講じている。福島第二原発も女川原発同様万全だった。

「冷源」と「電源」が確り保たれてさえいれば、「冷温停止」に持ち込むことが可能ということが分かった。つまりはどんな大地震や巨大津波でも原子炉を安全に停止させることこそが出来るのだ。我が国の技術力をもっと信用しようじゃないか。

「女川原発」の技術に注目すれば、さらに地震に強い原発を造ることは可能だろうに、何故、原発停止ありきなのか。抑々「便利」という価値観に溺れた日本人が原発無しで化石燃料や不安定な新エネルギーで満足するとは到底思えない。

 反原発派は原発の危険性と利権構造を批判するが、反原発派も所詮は「反原発利権漁り」であり、再生可能エネルギー普及は、原発推進派と同じ穴の貉である。

 集団的自衛権の憲法解釈にしても、左翼陣営が「戦争への道」などと国民を誑かしているが、反原発も同じで、人々の優しさや幼稚な正義感に漬け込んで、勢力拡大を目指しているに過ぎず、こうした連中のキレイゴトに騙されてはならない。

 愚生の様にテレビも殆ど見ず、早寝早起きを心掛ければ、原発なんぞ必要ないし、何よりテレビを見ることでの白痴化を防げるし、早寝に徹すれば少子化の問題もクリア出来るだろうよ。反原発派の皆さんも実践しては如何ですか。呵呵大笑。

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2014年05月16日

集団的自衛権の行使容認に関する安倍の危機意識は至極真っ当なものではあるが

 安倍総理は、有識者懇談会からの報告書の提出を受けて記者会見し、憲法解釈の変更に拠って限定的に集団的自衛権の行使を容認することを視野に、憲法解釈の変更の進め方の基本的方向性を明らかにした。憲法解釈とは便利だよなぁ(苦笑)

 この中で、安倍は、「命と平和な暮らしを守る為に何をなすべきか」と、有識者懇談会が集団的自衛権を行使しなければならない事例として、「日本近隣の有事の際」や「アメリカ艦船の防護」など具体例を示して国民へ理解を求めた。

 名指しこそ避けてはいるが、我が国を取り巻く情勢や近隣アジア周辺の緊張は正に中国共産党の覇権主義と北朝鮮の核開発とミサイル実験である。こうしたことに対抗するには憲法改正という手順を踏んでいる余裕は無いと判断したのだろう。

 多くの日本人はシナを「中国」と呼び、日中は「同文同種」とか「一衣帯水」という認識と、「四書五経」のイメージで支那への憧れを膨らませてるいるが、現在の中共は共産主義を最高原理とした帝国主義国という現実を理解していない。

 第二次世界大戦以降、共産党一党独裁の中共は膨大な軍事力を背景に周辺諸国を弾圧し、現在も東シナ海や南シナ海でフィリピンやベトナムとの間に問題を抱え、尖閣諸島でも領有を主張し、我が国の主権を侵害しているのは周知の通り。

 我が国は先の大戦では敗れたが、その敗れた責任を取れというなら、その最大の過ちは中国共産党の跳梁跋扈を許したことであり、最大の償いはその共産主義という「癌」を取除くこと以外にない。そういう意味でも、集団的自衛権の憲法解釈の変更によって自衛隊が活躍出来る場が増えることは結構なこと。

 憲法改正どころか憲法論議さえ困難な今、憲法解釈の変更は姑息ではあるが、国益と国體を護る意味でも認めざるを得ない。それどころか、第96条に基き発議して、国民の過半数の同意を得て漸く改憲に取り組んでいては領土防衛は儘ならない。

 西沙諸島、南沙諸島、インドやカシミール地方で中共の無法、虐政に呻吟している国々にとって我が国は希望の灯りでなければならない。そういう意味でも、我が国が目指すべきは「積極的平和主義」というより、一旦緩急あれば絶対に負けてはならない国であらねばならないのだ。そう考えれば、現憲法は心許ない。

 安倍の会見で気になったのは、頻りに「国民の生命と安全を守る」ことを強調してたこと。だが、集団的自衛権を行使する自衛隊という国軍が最優先に護るべきは、「生命と安全」も然ることながら、「国體」でなければならないのだ。

「国防」とは三島由紀夫が訓えた様に、領土主権のみならずに「それを亡くしてしまったら日本ではなくなってしまうものを守り抜くこと」に尽きる。

 日本人が護り抜かねばならぬもの、それは「民族」「宗教」「言語」「歴史」「価値観」「習慣」「制度」の世界の中で最も優れた精神文化であり、それらを継承して行く子供達であり、何より死守せねばならないものは「皇統」である。

 安倍が決定的に乏しいのはそうした国家観であり、歴史観であり、憲法観である。他の議員が余りにも酷いだけに安倍がまともに見えているに過ぎない。

 集団的自衛権の憲法解釈変更で中共も対日政策の見直しを図るだろうが、決して中共の策謀に嵌ってはならないし、諂ってはならないし、与してもならない。

 そんな折、中共の走狗というべき自民党の加藤紘一が、厭きれることに共産党機関紙「赤旗」のインタビューで、集団的自衛権の行使容認について「自衛隊を海外に出し、米軍と肩を並べて軍事行動させようということだ」と批判している。

「徴兵制まで行き着きかねない。戦闘すると承知して自衛隊に入っている人ばかりでない」とトンチンカンな自説を垂れ流している。コイツはもう終わってるな。

 加藤は、「二度と銃は持たないというのが守るべき日本の立場だ」と訴え、「(行使を)容認したいのなら(憲法の)解釈変更ではなく、改憲を国民に提起すれば好い」とも語っているが、どうせその改憲を国民が支持しても反対するだろうな。

 そういや数年前に、自民党の元重鎮でもある古賀誠も昨年日本共産党機関紙「赤旗」に登場し、安倍自民党が目指す改憲の動きを批判しているが、自民党の元幹事長だった者が共産党機関紙で自民党政権批判を繰り広げるとは厭きれるばかり。

 取り敢えず集団的自衛権の憲法解釈の変更は検討することとなったが、これを実行するとなるとかなりの抵抗が予想される。試されるのは安倍の決断力と覚悟である。

 連立与党の公明党との協議は難航必至どう。偽善的平和主義というか、中共の第五列である公明党とは政策的の一致を見ないだろう。自公連立は解消するべきである。国防や国體護持、更には「靖國」でその考えを一にする政党や議員との連帯を進め、政界再編成も視野に入れ斯かる難局に立ち向かわねばならない。

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2014年05月13日

「今の福島に住んではいけない」という差別に厭きれる

 愚生も好きな人気漫画「美味しんぼ」で、東京電力福島第一原発を訪問した主人公の山岡士郎が鼻血を出し、双葉町の井戸川克隆元町長らしき人物が登場して、「福島では同じ症状の人が大勢いる」と発言する描写に対しての批判が相次いでいる。

 作者の雁屋哲は「ここまで騒ぎになるとは思わなかった」とその軽挙を認識している様だが、この男の売国性を見れば確信犯だったことが窺える。「福島にはもう除染しても人は住めない」「今の福島には住んではいけない」と言いたい放題。

 地元双葉町を始め県や環境省、瓦礫を受け容れている大阪府と大阪市など各地からの相次ぐ抗議に小学館も対応には苦慮している様だが、「議論をもう一度深める助長になることを願って作者が採用した」と堅白同異の弁を垂れ流している。

 小学館のホームページでは「鼻血と放射線の因果関係を断定する意図はない」としているが、発刊前からこうした問題点は指摘されており、要は世論の騒動を利用した営利至上主義であると断じざるを得ない。況してやこれは福島県民に対する差別ではないのか。差別に敏感なマスコミや出版社が差別を助長するとは何事か。

 我が国は在日への差別には敏感に反応するが、日本人自身への差別には寛容で、然もそれが日本を貶めることならば売国勢力は団結するという実に不可思議な国だ。

 大江健三郎が現地取材も無しに書き上げた「沖縄ノート」という書籍がある。この本に「25年ぶりの屠殺者と生き残りの再会」という表現が綴られている。沖縄での「虐殺者」を「屠殺者」に準えている。 「差別」に敏感である筈のマスコミや部落解放同盟が、大江のこの差別表現に黙殺しているのは不思議でならない。

「屠殺」という差別表現に拘るのなら、大江の「沖縄ノート」こそ差別表現の最たるものとして糾弾されるべきものであろう。評論家の呉智英は、この「沖縄ノート」の差別表記に驚愕し、「これ(差別用語)、いつから解禁になったのか。虐殺を屠殺になぞらえようものなら許すべからざる差別表現として部落解放同盟と屠場労組の苛烈な糾弾が展開されたことは言論人なら誰知らぬものはいない」と語っている。

 更に、呉は例えて、1982年の俳優座のブレヒト原作、「屠殺場の聖ヨハンナ」について、「改題してもなお激しい糾弾に合い上演は困難を極めた」と指摘している。この騒動の際に部落解放同盟らが、「誰々の作品だから差別はない。神格化したものの考え方を一掃したい」と言明したことまでも振り返っている。

 また、1987年には「沖縄ノート」と同じ岩波書店で出版した「報道写真家」という本の中の、「戦場という異常な状況下では牛や豚などの家畜の虐殺と同じになる」という記述が問題にされて回収処分となっていることも紹介している。

 何故か「沖縄ノート」は一度も糾弾も回収もされず、それどころかアホな裁判官がこのフィクション本を証拠として採用し、「集団自殺の軍命令があった」との摩訶不思議な判決を出した。大江健三郎のみ「神格化」される理由は何か。

 部落解放同盟が「神格化したものの考え方を一掃したい」とした声明は嘘なのか。要は「売国」「反日」では共闘するということ。所詮は「差別」なんぞより己らの利益が優先される。その他の理由なんぞ付けたりに過ぎない屁理屈だということだ。漫画に登場した元町長も「高が漫画で・・・」と気に留める様子はなく、己の発言が福島への風評を助長するということも自覚がないとは呆れ甚し。

 井戸川元町長は「漫画に環境省が異常なほど反応していますがこれは彼らが福島で安心キャンペーンの嘘がバレるために躍起になって否定をしているからです、嘘をついていなければ漫画がどうしたと平静でいられるものです。如何に福島は危ないかを証明しているのは今の環境省です」とのトンチンカンな自説を垂れ流した。

 環境省の陰謀説とは恐れ入るが、こうした大馬鹿者が福島第一原発設置の首長だったというのだから地元住民にとっても県民にとっても不幸としか言い様がない。

 この井戸川は、中間貯蔵施設設置に絡み怪しげな噂が飛び交い、結局は議会で不信任決議を受けて町長職を辞任した人物でもある。以前にも日本生態系協会会長の池谷奉文という人物が「福島の人とは結婚し​ない方がいい」「今後、福島での発がん率が上がり、奇形児が発生する懸念がある」などとの発言してるが同類である。

 池谷は「福島の人を差別する様なことは思っていない」と反論​し、己の妄言を正当化していたが、「結婚はするな」「子どもを産むな」とはどういうことか。今回の「美味しんぼ」も同じこと。今までも「反原発」の立場から殊更に放​射線の恐怖を煽る発言や表現はあったが、その発言に根拠はなく、単なる妄想ばかり。

 キチガイ池谷は「福島ばかりじゃございま​せんで、栃木だとか、埼玉、東京、神奈川辺りの放射能雲の通った地域にいた方々は極力結婚しない方がいいだろう。結婚して子どもを産むと、奇形発生率がドーンと上がる」とも語っている。

 名指しされた東京、神奈川、栃木、埼玉​の地域だけではなく、日本人ならこうした妄言に怒りの声を上げて当然のこと。「反原発派」こそがこうした差別的愚論には苦言を呈すべきだと思うが、残念ながらそうした正義の声は聞こえて来ない。

 池谷や雁屋、井戸川らの、こうした日本人らしからぬ発言を鵜呑みにする人がいるとは思えないが、こうした妄言や流言蜚語は更なる差別と風評被害を齎すばかりか、放射線への誤解は復旧作業や復興にも影響を与えかねない問題なのだ。

 実際にはあり得ないことだと分かっていても、専門家としてそれなりの立場に在る者から、実しやかに「奇形が生まれる​」とか「福島には住んではいけない」などと言われれば気持ちの良いものではないし、不安になるのは当然のこと。

 原発事故にもめげずに、復旧・復興に励んでいる福島県民にとって、人気漫画「美味しんぼ」の表記は残念至極という他はなく、小学館は事の重大性を認識すると共に差別表記の漫画を早々に回収し、事の収束に当るべきである。

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